統計検定で出てくるフィッシャーの3原則とは

フィッシャーの3原則は実験による誤差を小さくするために重要

フィッシャーの3原則は、1935年にR.A.Fisherが著書「The Design of Experiments」で提唱した実験計画における三つの原則です。

実験には誤差がつきもの。
その誤差を正確にそしてできるだけ小さくするためにフィッシャーが提唱したものになります。

誤差には系統誤差と偶然誤差がある

誤差とは真の値と測定値の差のこと。

誤差にも種類があります。それは系統誤差と偶然誤差です。

系統誤差とは処理の違いによって生まれる誤差のことで、偶然誤差はたまたま生じるごさのことになります。

フィッシャーの3原則

①「反復」―実験を繰り返すことで誤差の大きさを評価する

反復とは実験で複数の測定を比較する際に、同じ条件で2回以上の繰り返し実験を行うことです。

一回しか実験していなければ測定値に違いがあっても、それが条件の違いによる差なのか、
偶然誤差による違いなのかの判断ができません。

実験を反復することによって、偶然誤差の大きさを評価することができるようになります。

②「無作為化」―系統誤差を偶然誤差に変換

無作為化とは比較したい条件をランダムに割り振って実験を行うことです。

実験の順序や場所などが測定結果に影響を与え系統誤差を生み出すことがあります。

ランダム化によって系統誤差を偶然誤差へ転化することができます。

③「局所管理」―系統誤差を小さくする

局所管理とは条件が均一になるようなブロックに分けて実験を行うことです。

実験を行う条件をセットにしたものを「ブロック」と呼びます。

局所管理を行うことができれば、「無作為化」以上に系統誤差を小さくすることが可能となります。

フィッシャーの3原則を満たす実験計画「乱塊法」

フィッシャーの3原則である「反復」「無作為化」「局所管理」を盛り込んだ実験計画のことを「乱塊法」と呼びます。

乱塊法はブロック因子によってブロックに分けて、その中で実験順序をランダムに決めます。

参考書籍